クレーンゲームで狙っていたフィギュアをゲットした瞬間の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。しかし、獲得の喜びに浸る一方で、こんな悩みを抱えていませんか?

「久しぶりに箱から出したら、表面がベタベタしている…?」

「飾っていたフィギュアが、夏場の暑さで傾いてしまった;;」
多くの情報サイトは「取り方」の解説で終わってしまいますが、コレクターにとって本当に重要なのは、手に入れた大切なフィギュアをいかに長く、綺麗な状態で維持するかです。
この記事では、プライズフィギュア特有の「劣化・ベタつき・傾き」の原因を科学的に解説し、今日からできる具体的なメンテナンスと保管術を徹底解説します。大切なコレクションを守るための「保存版」マニュアルとしてご活用ください。
おすすめオンクレ3選!
なぜフィギュアはベタつくのか?「可塑剤」の科学と換気の重要性

久しぶりに触ったフィギュアが驚くほどベタついていたという経験、マニアであれば誰しも経験があるはずです。
これは単なる汚れではなく、フィギュアの素材に含まれる化学物質の作用によるものです。
ベタつきの正体は「可塑剤(かそざい)」の気化
多くのプライズフィギュアは、PVC(ポリ塩化ビニル)という素材で作られています。本来、PVCは硬い素材ですが、フィギュアのような複雑な造形や柔らかな質感を表現するために「可塑剤(かそざい)」という添加剤を混ぜて柔らかくしています。
この可塑剤は、時間の経過とともにフィギュアの表面から少しずつ気化していきます。
空気に触れている状態であれば気化した成分は飛んでいきますが、「箱に入れたまま」あるいは「密閉されたケース」に長期間閉じ込めていると、行き場を失った気化成分がフィギュアの表面に付着し直してしまいます。
これが、あの不快なベタつきの正体なのです。
「未開封=最良の保存」ではない
コレクター心理として「未開封のまま保存したい」と考えるのは自然なことです。しかし、フィギュアの品質維持という観点では、適度な「通気」が必要不可欠と言えるでしょう。
箱のまま保管する場合
数ヶ月に一度は箱を開け、中の空気を完全に入れ替える。
ケースに飾る場合
完全密閉を避け、通気口のあるケースを選ぶか、定期的に扉を開放する。
可塑剤の逃げ場を作ってあげることが、ベタつき防止の第一歩となります。
ベタつき・汚れをリセット!中性洗剤を使った正しい洗浄手順

もし既にベタついてしまったり、ホコリが目立ってきたりした場合は、洗浄によるメンテナンスを行いましょう。
水洗いだけでは落ちない油分(可塑剤)や汚れには、台所用洗剤が効果的です。
用意するもの
(※酸性・アルカリ性・研磨剤入りはNG)
プロ推奨の「漬け置き洗い」4ステップ
- Step.1洗浄液を作る
洗面器に常温〜ぬるま湯(35度程度)を張り、中性洗剤を数滴垂らしてよく混ぜます。熱湯は変形の原因になるため厳禁です。
- Step.2優しく漬け置き
フィギュアを投入し、数時間〜半日ほど漬け置きます。ベタつきがひどい場合は、指の腹で優しく撫でるように洗いましょう。細かい隙間は、柔らかい筆を使うのがおすすめ。
- Step.3徹底的にすすぐ
洗剤が残ると変色や新たな劣化の原因になります。流水でヌメリが完全になくなるまで丁寧にすすいでください。
- Step.4自然乾燥させる
タオルで優しく水分を拭き取った後、直射日光の当たらない風通しの良い場所で2〜3日かけて完全に乾燥させます。ドライヤーの熱風は変形を招くため、絶対に使用しないでください。
夏場の「傾き」はなぜ起こる?熱対策と物理的補強

日本の夏は、フィギュアにとって過酷な環境です。
特に「片足立ち」や「重心が高いポーズ」のプライズフィギュアは、気づかないうちに傾いてしまうことがあります。
部屋の温度管理が命
前述したPVC(ポリ塩化ビニル)は、熱に弱いという弱点があります。室温が高くなると素材が柔らかくなり、自重(自分の重さ)に耐えきれずに変形してしまうのです。
- 直射日光が当たる窓際は避ける。
- エアコンの風が直接当たらない場所に設置する。
- 夏場、日中締め切った部屋が高温になる場合は箱にしまう等の避難措置をとる。
これらを意識するだけで、変形のリスクは大幅に下がります。
支柱による物理的な補強テクニック
すでに傾きそうなフィギュアや、構造的に不安定なものには「事前の補強」が有効です。
アクリル棒で支える
100均などの透明なアクリル棒を支えとして設置。目立たずに転倒を防ぐことが可能。
ミュージアムジェルを活用
足裏や台座の裏に固定用ジェルを使用し、土台ごと倒れるのを防ぎます。
もし変形してしまった場合は、「お湯で温めて形を直し、冷水で冷やして固める」という荒技もありますが、悪化や塗装剥げのリスクがあるため最終手段と考えてください。
紫外線対策の重要性!「箱のまま飾る派」vs「開封派」

最後に、保管スタイルによるメリット・デメリットと、共通の敵である「紫外線」について整理しましょう。
保管スタイルの比較表
| 項目 |
箱のまま飾る派 (未開封) |
開封して飾る派 (展示) |
|---|---|---|
| メリット |
|
|
| デメリット |
|
|
| 対策 |
|
|
紫外線(UV)はフィギュアと箱の大敵
どちらの派閥にとっても、最大の敵は「紫外線」です。
直射日光だけでなく、室内の蛍光灯からも微量の紫外線は出ています。これにより、フィギュア本体の退色(色あせ)や箱の黄ばみ・印刷の色飛びが発生します。
窓ガラスに貼り、外からの紫外線を遮断する。
大切なフィギュアは、紫外線をカットするアクリルケースに入れる。
ディスプレイの照明には、紫外線の放出が少ないLEDを使用する。
これらを導入することで、数年後の状態に大きな差が生まれるはずです。
【まとめ】愛着を持ってメンテナンスを

プライズフィギュアの劣化を防ぐポイントは、以下の3点に集約されます。
密閉しすぎず、定期的に空気に触れさせる。
直射日光を避け、夏場の室温と「傾き」に注意する。
窓やケースにUVカットを施し、色あせを防ぐ。
「獲得して終わり」ではなく、その後のメンテナンスまで楽しむことこそが、真のフィギュア愛と言えるかもしれません。
まずは今週末、お気に入りのフィギュアの状態をチェックし、風通しを良くしてあげることから始めてみてはいかがでしょうか?
もし、すでにベタつきが気になるフィギュアがあれば、今回紹介した「中性洗剤での洗浄」をぜひ試してみてください。見違えるほど綺麗になった推しの姿に、愛着がさらに深まるはずです。

